手順書運用の留意点とNotion 〜作成はクラス設計、運用はインスタンス利用〜
こんにちわ。てぃーびーです。
多くの方が何らかの形で関わる手順書。手順書は作成されるだけではなく、運用されてこそ価値を生むものです。 また、手順化することによってその先に自動化の可能性も見えてきます。
業務の質、効率向上の要となる手順書。そんな手順書に関して
- 手順書とは何なのか?
- 手順書運用の留意点
- Notion での手順書運用例
についてまとめます。
手順書とは?
手順書は任意の作業の具体的な手順をまとめたものです。 1つ1つの工程を実施していくと、最終的に目的を達成することができます。
手順書があることによって
- 自身が繰り返しその作業を実施する際に同じ質で実施できる
- 1回目に手順をまとめながら試行錯誤して取り組んだ部分をショートカットして2回目以降に取り組むことができる
- 手順化した作業を他者にアサインすることができる
- 手順化した内容のうち、自動化可能であればさらに作業を効率化することができる
というようなメリットがあります。
手順書運用の留意点
手順書とタスクばらし
手順書を作成するには任意の作業に含まれるすべての工程を洗い出す必要があります。 いわゆるタスクばらしです。タスクばらしについては Zenn にまとめてあるので、こちらを参照ください。
タスクばらしとプログラミング能力
タスクばらしは任意の作業に含まれる手順を洗い出すものです。一方、プログラミングにおける関数やメソッドの作成は、その責務に必要となる一連の処理を実装することです。抜けもれなく最小単位の処理を並べていく、という点に関して手順書とプログラミングはとても似ています。
手順書の作成と運用
手順書をなんのために作成するのか? 実際に自分や他者が作成された手順を利用しながら該当の作業を実施するためです。そう考えると、手順書の作成はオブジェクト指向開発におけるクラス設計で、手順書の運用はインスタンスの利用と考えることができます。
例えば、セキュリティ強化のため全社員が 1Password を利用することにしたとします。 この場合、以下の手順書が必要になるでしょう。
- 1Password の初期設定
- 1Password の基本的な利用方法
ここで完成した 1Password の初期設定を全社員に実施してもらうとします。 この場合、実際に手順を実施する人は個別のステップをチェックリストとして確認しつつ進めるのが確実です。そのため、手順書の項目1つ1つがチェックリスト化されているものを見て、チェックしながら実施していくと抜け漏れなく実施できます。仮に、この実施状況を作業の依頼者からも確認できるようになっていれば誰がどこで詰まっているのか、依頼者と作業者の間ですぐに共有できるようになります。結果として手順自体の問題が発見しやすくなり、改善しやすくなります。
システム開発目線で考えると 1Password 手順書というクラスをもとに社員数分の実施向けインスタンスを生成し、個別処理の実施時に進捗やエラー箇所が確認可能になる状態、と捉えることができます。
実際の運用では、クラスとしての手順書はあるがインスタンスとしての手順書はない、というケースが多いように思います。
Notion での手順書運用例
では、クラス・インスタンスの両方の役割をどのように実現するのか?
Notion での運用例を示します。Notion はテンプレート機能を持っています。クラスとしての手順書はテンプレートとして作成します。
そして、実際に手順書に基づいて作業をする場合は、テンプレートを活用してインスタンスとなる実施用の手順書を必要な人が必要な数だけ作成します。実際にテンプレートを利用して実施用の手順書を作成します。
次に、以下が実施用の手順書を2件作成し、ボードビューでステータス確認を可能にした状態です。
まとめ
以上のように、手順書の作成と運用はクラスの設計とインスタンス生成・利用のイメージに近いです。 また、実際にはインスタンスの生成・利用部分が意識されず、クラスをそのままみながら手順が実施されることも多いでしょう。 Notion に限らず、様々なタスク管理ツールにはテンプレート機能が用意されていることが多いので、それを用いつつ適切にインスタンスを利用できるとよいでしょう。
作成はクラス設計、運用はインスタンス利用。